Euroleague観戦記その8
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3日間お世話になったアテネを去り、今日はテッサロニキに移動です。テッサロニキはギリシャで第2の都市と呼ばれていますが、あまり観光客が多い町というわけではありません。アテネに比べると、北部のため少し寒いです。
テッサロニキとアテネ間を飛ぶ飛行機は一日に数本出ていますので、行き来するのは比較的簡単です。しかし、国内線というだけあって、観光客らしき人はあまりなく、荷物の少ないビジネスマンが多いように思いました。約1時間のフライトです。
テッサロニキの街
飛行機の中に東洋人は明らかに私一人でした。幸い隣の席が空席で、その席を隔てて身体の大きなギリシャ人中年男性が座り、前後の中年男性たちと話をしていました。飛行機が飛んで少ししてから、その男性に話しかけてみました。
実は、テッサロニキに飛ぶ今日まで、金丸さんからまだ連絡がなく、到着してからどのように行動すべきかの連絡がきていないのでした。今日は月曜日で試合の2日前です。できれば今日と明日の練習を見学することができないか聞いて欲しいと金丸さんにお願いしていたのですが、返信がないということで、ホテルを決めた後に時間があれば、ArisのホームコートであるAlexandrio Malathronを直接訪ねてみようと思い、この男性に中心街からどのように行ったらいいかを聞こうと思ったのでした。
地図を見せて、テッサロニキの中心街から会場までどのくらいかを聞くと、バスケットを見に行くのかと聞かれました。Arisのバスケットを見に行くんだというと、とても驚かれ、自分もArisファンだと目を輝かせ始めました。よほど日本からのファンが珍しかったのでしょう。周りの仲間にも私のことを話し、7~8人みんなArisファンだと言われ、Aris自慢が始まりました。「お前はNikos Galisを知っているか?」と最初に聞かれました。
Nikos Galisは元Arisのプレイヤーです。昨年の世界バスケのギリシャ代表ヘッドコーチのGiannakis(ヤナキス)さんも伝説のプレイヤーとして有名ですが、彼らは共に80年台のArisを支え、1987年にはギリシャ代表として、ヨーロッパチャンピオンになりました。つまり、Giannakisさんはプレイヤーとしてもコーチとしても、ヨーロッパチャンピオンになっているわけです。
Nikos Galisは183cmという小柄ながら信じられないスコアリング能力で、87年のヨーロッパ選手権でも平均37ptsという成績を残し、決勝のソビエト戦では40点をあげました。Arisの選手としても毎年30pts以上のアベレージを残し、当時テレビCMなどに出演するなど、バスケット選手の枠を超えて、ギリシャで一番有名なアスリートだったそうで、2004年アテネ五輪の最終聖火ランナーの候補にもなっていたそうです。ちなみにアメリカ、ニュージャージー生まれで、Seton Hall大学出身です。
実はGalisのことは私も事前学習していました。もしかしたら会えるかなという淡い期待を胸に、Panini(イタリアのシールメーカー。サッカーを中心にかつてはバスケのシールも作っていた)のGalisのシールを手に入れていたので、それを男性に見せて、Galisを知っていると伝えると、ますます話しは盛り上がりました。
現在のチームArisのPGのCastleがNo,1プレイメイカーであること、PFのMasseyほど良く働く男はいないこと、とにかくAris自慢の連発です。そして、ことあるごとにPanathinaikosを否定していました。日本で言うと、アンチ巨人の感覚に近いです。Mike Batisteはサラリーが高すぎると。MasseyのサラリーはBatisteの半分以下だがよっぽどリバウンドを取るから、とても献身的なプレイヤーだということでした。やはりどこに行っても地元チームひいきなんだとわかりました。全く初めて訪れる町で、バスケットの話をできるなんて幸せだと思いました。
試合会場は中心街から徒歩でいけるとのことなので、到着したらすぐに行ってみようと思いました。しかし、練習見学はできるか聞いてみたところ、それはわからないとのことでした。
楽しい時間に名残を惜しみつつ、飛行機は空港へ到着。中心街へ行くバスを待ちました。さすがに、バスの数は少ないようで30分近く待たされました。バスの料金は80セントユーロ。テッサロニキに来てすぐに感じることは、英語表記が極端に少なくなるということです。アテネがいかに観光地だったかがわかります。バスでも降りる場所が全く分からないので、乗客に聞きながら、無事に中心街にたどり着きました。所要時間約25分。
中心街に到着するとさっそくホテル探しです。何件か周り、1泊25ユーロのアトラスホテルというところに決めました。そこから、試合会場までの行き方を念のためたずねると、フロントの人たちもArisファンでした。Arisファンだからということで、コーヒーをサービスすると言われ、飛行機の中といい、ホテルといい、バスケットがいかに共通の言語であるかを感じ、嬉しくなりました。